2025年12月3日水曜日

黒い古い万年筆

 定年退職した時に、会社から退職祝いとしてPARKERの万年筆が贈られた

それが写真の上にある方の万年筆である

正直に言ってあまり使っていない

3日前、CASIOの時計ベルトが壊れたので、それを修理するための接着剤を探していた

そんな探し物の中、母の古い茶箪笥の引き出しの中に黒い万年筆を見つけた (写真下の万年筆)

なぜ、母の古い茶箪笥の引き出しの中にこの万年筆があったのかはわからない

このPILOT万年筆は、高等学校入学時に贈られたものである

育ての母となる一緒に暮らしていた叔母から贈られた万年筆だと思う (※-1)

ペン先には、18金とか細字などの刻印文字がある

インクカートリッジを外して流水で洗ってみた

きれいになった

ペン先もその中も流水で洗った

PARKERのインクボトルからスポイトを使ってブルーブラックのインクを吸い上げた

抜いてあったPILOT万年筆のインクカートリッジにPARKERのインクを入れ、万年筆にカートリッジを差し込みセットした

直ぐに書いてみた

すぐには書けなかった

つけたまま、カートリッジを指で挟みペン先から少しインクを出してみた

再度書いてみた

スムーズに書けるようになった

太字のPARKERの万年筆よりも細字で書きやすい

私は本を読みながら気づいたところはメモする癖がある

それによって私の読書はとても遅い

今は、立花隆氏の「死はこわくない」を読んでいる (※-2)

PILOT万年筆は、滑らかに走りとても書きやすい

記憶は薄いが、学生時代のみならず社会人になってからもこのPILOT万年筆は使っていたとは思う

しかし、いまノートの上にこのペン先が立ったのは何十年かぶりであるのは確かである

今年も冬ごもり読書の季節に入ってきた

昨冬はホモ・サピエンス系とAI革命系の本であったが、今年は死とか看護とかいった種類の本を集めて冬ごもりに備えている

今冬はこの古いPILOT万年筆を使って読書メモを書いていこうと思っている

今もそうしたので思い出した

手を使ってペンキャップを外すのを面倒がり、口に咥えてペンを抜いた

キャップを見たら(多分古い)歯の跡があった

※-1:中学校入学時には、勉強用の木の机と木の椅子を一緒に暮らしていた叔母から贈られている

PILOT万年筆は少し記憶の曖昧なところがあるが、この机と椅子は叔母と一緒に買いに行ったのではっきりと覚えている

この机と椅子は、東京の寮生活でも、宮城県の工場への派遣転勤先にも一緒に移動し、母の家に戻っても、結婚し妻と一緒に暮らした新居でも使い続けた

椅子は座の布が破れ脚も壊れたが、机はその後も長く使い続け、叔母が亡くなるまで使い続けていたと思う

※-2:立花隆氏の「死はこわくない」は、一気読みをした

私の本の読み方としては珍しく早い

「生とは何であり、死とは何であるのか」

毎日を正しく生き、死が訪れた時には素直に受け入れることにする

最後に母を看護してくれた看護師が言った言葉を今も覚えている

死は「意外と苦しくない」ようですよ

死後の世界はないと信じている私においても、臨死体験から言えることから、臨終においても美しい世界が見え、穏やかな気持ちで旅立てると思うことにした

死はこわくなくなった

死を迎えた時の死に方は、自分の思い通りにさせてもらう (愛しい弟もそうした)

遺骨はゴミとして処分してもらいたい

処分ではきつすぎる言葉てあるなら、ゴミとして処置してもらいたいと言ってもよい

海よりどちらかというと山のほうが好きだが、海に流してもらってよい

どこの海なんてことは言わない

「海はつながっているから」なんて、捨て場に凝った言葉は要らない

怒る人がいたら怒ってもよい

思いや考えの違いは尊重する

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