先のブログではトップロープソロイングにおける滑落停止の工夫をFacebookから一点、YouTubeから一点の事例を知るに至った
どちらの方法もマイクロトラクションやクロールSといったアッセンダーを胸前に吊るして登攀を続ける方法である
昨夜見た今回の事例は、トップロープソロではなくロープソロであり、先の2事例とは登攀スタイルとしては全くの別物である (タケムービー YouTube 「ロープソロ技術を考える」から)
一人で何もかも行って登攀を続ける単独登攀のスタイルである
先のブログで紹介した2例は滑落した場合、アッセンダーで止める方法であったが、今回のロープソロは滑落停止にグリグリを使っている
デバイスを胸前に吊るす方法は先の2事例と同じである
カラビナをかける穴とは反対側に追加工した吊るし輪を作り、これを通してグリグリを胸前に吊るしている
この方はチェストハーネスを装着しており、グリグリはこのチェストハーネスに吊り下げる形になっている
これにより、支点に固定されたロープは登攀にあわせてグリグリ内を通って上がって行く
登攀にあわせてロープが上がっていくのは先の2事例と同じである (アッセンダーを使っている違いはある)
滑落した場合は、逆付けしたグリグリのロック機能によりロープはガツンとかかり、滑落は停止される
支点には100均で売られている自転車に使うゴムロープを束ねたものをショックアブソーバーとして自作して使っているそうだ (後追いの動画では、バンジーロープに変更されていた)
先のYouTubeの事例では、胸前に取り付けたアッセンダーだけの滑落停止機能だけでは不安として、アッセンダーにグリグリを加え、ダブルロープ・ダブルデバイスによる滑落停止が工夫されていた
今回のこの事例は先のFacebookでの事例のマイクロトラクションを使ったワンデバイスによる滑落停止と同じく、グルグル一つでの滑落停止の工夫となっている
グリグリに対する信頼が相当に厚くないとこの方法は取れない
また、滑落停止後は、このグルグル一つでそれも荷重がかかった状態だけで止まっているので、その後のグルグルの操作を間違ったら滑落の危険がある
一人で何もかも担う負担と、一人がための安全性の確保の複雑な操作などが伴うロープソロであるが、一人ならでの喜びや満足感などが得られるスタイルではないかと思えた
トップロープソロイングでもこのグリグリを使ったソロイングは可能である
下降は活躍を停止したグリグリを緩めて下降でき、課題克服のトライアンドエラーを繰り返し行うことが可能になる
マイクロトラクションなどを使ったても滑落停止は可能であるが、滑落停止によりアッセンダーにかかった負荷を解除するには手間がかかることを考えると、グリグリを用いた滑落停止機構の方が有用な気がする
後追いの動画で紹介もされていたが、フルハーネスを使わずとも長いスリングを使って上体にたすき掛けを作り、そこに逆付けしたグリグリを下げることもできる
だが、グリグリに小さな穴を開ける追加工が必要となる
追加工を施した時点で、メーカーの保証は失われることになる
使用するデバイスは違えども、どの事例も胸前にデバイスを吊るすのには変わりはない
Youtubeの登山教室の事例では、胸前に、吊るしたアッセンダーは滑落時に吊るした紐が切れることを前提にしているが、この事例は特に滑落時に胸前のグリグリの紐が切れて外れることは前提にしていないと思われる
グリグリに小さな穴を空け、そこに取り付けた紐は3mm径ほどのロープに見えるが、滑落時に切れる物ではないように見える
実際に瑞牆山でのクライミングでは3度落ちたが紐を付け替えてはいないように見えた
Facebookの事例ではの胸前に吊り下げたマイクロトラクションは確かに玩具の様なカラビナで吊るされて入るが、活躍の度に切れるものでもないように思える
トップロープソロイングでグリグリを使う際には、胸前のグリグリが滑落時に切れる構造にしなくても良いと思える
なぜならば、滑落時に胸前の紐やカラビナは上に引かれる動作にはならず、グリグリよりも下方向に動作するので、グリグリを緩める方向には働かない
安全の上にも安全を考えるのは大切なことなので、Youtubeにある登山教室の切れる紐を使う考え方には賛同するが、この切れる紐を使った場合においても、実際には切れないと思う
p.s.
右腰下に下げてあるマイクロトラクションは滑落停止機能には直接的な関係はなく、次の登攀ステップに移る前に、登る距離に合わせて余った側のロープをたくし上げ、固定するためにセットしてあるものとなっている
この動画の中では、余った側のロープを体に吊るして登攀するスタイルも紹介されていた