徹底!
この言葉を使うことはできても、「徹底」を徹底できない国は日本だと思う
政府だけ責めても仕方がない
国民も徹底できていないように思う
自粛とは、いかなる行動なのか
わからないと感じる人は多いと思うし、それを明確に定義するリーダーはいない
店は休めと求めているのに、保障は明確にしない
医療はひっ迫しているとか、崩壊寸前とか言い続けている割には、進展は見られず、医療従事者が使うマスクさえない
PCR検査を行う体制は整ったというが、保健所はパンク寸前だという
何もしていないように思えることは、沢山ある
この難題、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めている優等生がいる
それは日本と地理的にも近い、台湾と韓国だ
この両国は日本ができない、または、しようとしない「徹底」ができている国だと思う
台湾は世界に医療用マスクを送るほどの余裕を見せている
台湾では、4月7日発信日付の中央感染症指導センターの発表によれば、新型コロナウイルス感染者数は373人で、死亡者数は5人で、隔離者数は57人となっている
また、その発表の一週間後の、4月14日の衛生福利部疾病管制署の発表によれば、感染者数は393人、死亡者数は6人となっていて、4月14日と16日には新たな感染者は出ていないと発表している
台湾の人口は、約2360万人と少ないが、感染者数も死亡者数もとても少ない
これだけ見ても、成功事例として学べるはずだ
私が最もすごいと思っているのは、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統のリーダーシップである
台湾は、中国武漢市で新型ウイルスの感染が広がっていることにいち早く気づき、12月31日には、世界保健機構(WHO)に報告するとともに、武漢からの入国者の検疫を始めていたとのことである
1月5日には、原因不明の肺炎に関する専門家会議を開催し、同月20日には、指導センターを設置、同月21日に台湾で初の感染者が確認されると、翌日の22日には、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は防疫を国家安全会議で指示したとのことである
蔡英文(ツァイ・インウェン)総統のやることは、とにかく早い
マスクに関しては、2月6日に政府が全量買い上げ、流通を管理する体制を作り、生産ラインも増設、人員不足には軍人を投入した
一日のマスクの製造は188万枚であったものを1,300万枚の製造能力へとアップさせている
蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は、4月1日、欧米や外交関係にある国へ医薬品や医療技術も提供するとともに、マスクについては、計1,000万枚を寄贈すると表明した
そして、外交関係にない日本へも医療用マスク200万枚が送られてきたのである
こうなったのは、台湾では「徹底」が徹底されていた結果であると思う
もうひとつの国は、何かと揉めているお隣の韓国である
何といっても、韓国の成功はPCR検査を徹底して続け、陽性患者を封じ込めたことにあると思う
韓国では、急激に感染者が増えて危険な状態となっていた
4月15日の中央防疫対策本部の発表によると、感染者数は10,591人で、死亡者数は234人となっている
また、4月18日の保健福祉省の発表によれば、感染者数は10,661人で、死亡者数は225人となっている
韓国の人口は、約5185万人で、急激に感染者は1万人を超えた
だが、18日の感染者数は8人となり、1日当たりの感染者数を一桁台にするまで、ほぼ2ヶ月で落ち着かせた
この素晴らしい結果には驚くばかりである
韓国で有名になったのは、ドライブスルー方式のPCR検査である
その後この方式は、アメリカなどでも採用された
韓国では、院外に設けた検査ブースでの徹底した検査を行った結果、患者と医師の相互感染が防げる効果も生んだ
支持率は低下気味であった文在寅(ムン・ジェイン)大統領であったが、この新型コロナウイルスの徹底した封じ込めに成功したことが評価され、支持率は向上し、この追い風を受けた与党は選挙にも勝利した
このような隣国の台湾、韓国、両国の成功事例を見ていると、我が国の、なんとも徹底しきれない、自粛とお願いを基本とする日本方式の感染拡大防止対策は、大丈夫なのかと不安な気持ちになって来る
本日4月22日現在で、日本国内の感染者数は11,496人、死亡者数は227人となっている
しかし、日本の感染者数はこんな数ではないと思う
既に保健所経由のPCR検査はパンク寸前のような状態が続いており、新型コロナウイルスに感染していると医師が判断した患者も、PCR検査が受けられない状態になっている
また、感染が疑わしき症状があり、帰国者・接触者相談センターに電話で相談しても、はねられてしまい、PCR検査を受けるところまでに至らないなどの事例も報告されている
このような多くの事例を考えれば、日本においては、隠れ感染者が多く存在していると判断されても、おかしくないと思う
感染者の中には、感染経路が追えない事例も多く報告されていることから、市中感染者は、かなり多く存在していると考えても不思議ではない
陽性患者数を顕在化させず、自宅待機、外出自粛の要請で、感染拡大を食い止めようという考え方の日本方式は、既に危ない局面に差し掛かっているようにも感じられてきた
現在の日本方式の感染拡大防止対策に対する批判は、かなり表明されるようになってきている
民間検査機関も活用したPCRなどの感染検査を徹底的に行い、陽性患者を顕在化し、陽性患者は自宅に返すのではなく、借り上げホテルなどを利用しての隔離も、徹底して進めた方が良いのではないかと思える
台湾方式を適用するには、遅きに失しているが、陽性患者を顕在化する韓国方式は学ぶ価値があると思う
日本では、お決まりの「検討する」では、手遅れになる危険性は極めて高く、そんな悠長なことを言っていたら、コロナの勝ちは明らかである
危機におけるリーダーの存在は大きく、その真価が問われる
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