2021年11月2日火曜日

月光

 ベートーヴェン ビアノソナタ「月光」

中学1年生の時、音楽担当の糸日谷先生の最初の授業が、レコードで聴くこの「月光」であった

糸日谷先生は、この曲を聞いて何が思い浮かぶかと我々生徒に問われた

月光は勿論、クラシックをレコードでこれほどしっかりと聴くことは初めての経験であった

不思議なもので、この「月光」は、その後、何度聞いてもこのことが思い出されるのである

このことからも言えると私は思うのであるが、中学生時代は人生における大きな節目に当たるように思えるのである

第何歩目なのかはわからないが、歩く方向が決まるような気もしている

前例のような、中学生時代で思い出すことはとても多い

私は団塊世代の第1号で、最初の中学校は、ひとクラス55人の14クラスもあった

中学2年生で新設中学校ヘ集団で移動となった

旧中学校の中学一年生の時の担任であった石原先生が、新設中学校に移っても、同じ石原先生が私の担任となった

そんな生徒は私一人であった

この石原先生は、中学2年生の我々を大菩薩峠へのハイキングに連れて行ってくれた

この時の石原先生は適切なガイドではなく、道を間違えてしまった

この大菩薩峠へのハイキングがきっかけで、私は山にのめり込むようになって行ったのである

石原先生との付き合いは長い

高齢となった石原先生とは、今も文通を交わしているし、石原先生夫婦はふたり揃って、私の福島の移住先へ遊びに来られたこともある

私が今も付き合いのある最も古い友人は、中学生時代のバスケ部の仲間である

中学時代の思い出はとても多く、そしてその思い出はとても鮮明である

胃がんの手術後、きつい運動も、重いものを持つこともしばらくの間は禁止されている

冬を迎えるに当たり、やっておくべくことは沢山あるのだが、考えると、どれもがきつい動きを伴う

そうなると、仕方なく諦めざるを得ないのであるが、これまた暇である

ソファーにゴロンとなり、クラシックを流している

前述の通り、「月光」が流れたところで、糸日谷先生を思い出したのである

糸日谷先生は、物静かな音楽家らしい風貌の紳士であった

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