いま私が気にすべき主な病気は、前立腺肥大症の進行、胃がんの再発および転移、尿酸値過多からくる痛風、それに加えて腎臓の障害となる
前立腺肥大については、がん化の懸念もあるので3~4ヶ月に一度の定期検査、胃がんの再発および転移については、1年に一度の定期検査、尿酸値過多による痛風の防止には、尿酸抑制剤の服用での対策をとっている
いま懸念しているのは、腎臓障害の進行にある
放置すれば、透析を受けなければ生きていけなくなる
(透析は腎機能の一部を担うだけだそうだ)
腎機能を見極めるにはeGFR(推算糸球体濾過量)の値を見る必要がある
eGFRとは、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示すものであり、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになる
採血による続けてきた定期検査のeGFRのここ数年の推移からみると、39.5~46.9の値で上がったり下がったりをしている
かかりつけ医の元で、今回は2種類の検査を受けた
ひとつは従来の血液検査で、eGFRは46.9(mL/分/1.73㎡)の値を示した
もう一つは、尿検査で尿蛋白を知ることで、尿蛋白は12.0(mg/g・CRE)の値を示した(基準範囲は18.0以下)
尿蛋白は、排出尿(随時尿) に含まれる蛋白を尿クレアチニン値で補正して得られる排泄推定量の値を用いている
慢性腎臓病の重症度を評価するには、血中のeGFRの値(腎臓の濾過能力)と、尿に漏れ出す蛋白の値(肝機能の障害度合い)のふたつ検査データーを使う
このふたつの検査結果から図表に示す慢性腎臓病(CKD)の重症度が判断される
私の場合は、GFR区分は46.9(m L/分/1.73 m2)で「G3a」、尿蛋白/Cr 比は12.0(g/g Cr)で正常となる
このふたつの値の交差位置が示す私のリスクは、赤丸で示した黄色のステージとなる
かかりつけ医の見解は、この黄色のステージでは、薬を服用しても、服用を待っても良い範囲にあると言う
かかりつけ医が服用を勧める薬は、薬剤名で「フォシーガ」という
フォシーガという薬は、SGLT2阻害薬と呼ばれる薬の一つで、このところ注目を集めている薬で、海外においても多く使用されているとのことであった
SGLT2阻害薬は、尿から余分な糖分を排泄する作用で血糖値の調整をおこなう糖尿病の薬である
通常血液の糖分は、腎臓の糸球体を通して、尿として排泄され、尿細管で再び吸収される
SGLT-2阻害薬はこの尿細管での糖の吸収を抑えて、そのまま尿の一緒に糖分を排泄する役割を果たしている
このメカニズム(体液量調節を介した血行動態に対する作用)により血糖を調整するだけでなく慢性腎臓病の進行を抑える薬としていま注目されている薬ということのようだ
フォシーガ薬は、かかりつけ医も勧める良い薬の様であるが、かかりつけ医と話し私が出した結論は「状態監視」である
私の前立腺肥大症も状態監視中で、3~4ヶ月に一度、大病院で血液検査と尿検査を続けている
私の腎臓は、数値が示す通り機能低下は明らかであるが、検査データーからみれば、直ぐに薬を飲んで、食い止めなければならないといった状態ではないと考えた
かかりつけ医とも相談し、直ぐに投薬治療に入るのではなく、3ヶ月に一度程度の血液検査と尿検査を受け、血液検査からはeGFRの値を、尿検査からは蛋白尿の値を確認し、肝機能の低下が進行しているようであれば薬を飲むことにした
腎臓は沈黙の臓器といわれる
腎機能が30%にまで低下しても気づかないそうである
一旦機能低下した腎臓は元に戻すことはできないので、楽観視し過ぎてもいけないと理解しなければならない
p.s.
SGLT-2阻害薬については、腎臓病の進行を食い止める有効性は認められていると理解はできたものの、その効能に対するメカニズムは「体液量調節を介した血行動態に対する作用により」としかわからなかった
これだけでは、糖尿病の薬として開発された薬が腎臓病にどのように作用し効能を発揮するのかはわからない
次の三点の検査データーは注視していく必要がある
(1) クレアチニン:
クレアチニンは筋肉から出る老廃物のひとつで、飲食の影響を受けず常に一定量が産生されている
肝機能が正常であれば、クレアチニンは尿と一緒に排出される
クレアチニンは腎臓以外から体外には排出されないので、腎臓の働きを表す指標となる
血中クレアチニン値が高くなっていた場合、老廃物をうまく尿に排出できていない可能性があり、肝機能の低下を示していることになる
クレアチニンの基準値は、男性で0.61~1.04(mg/dl)、女性で0.47~0.79(mg/dl)で、現在の私の数値は1.12(mg/dl)の数値となり、基準値は超えている
(2) eGFR(estimated Glemerular Filtertion Rate/推定 糸球体濾過量):
糸球体濾過量とは腎臓の機能を表す指標で、腎臓の中にある糸球体(毛細血管の集合体)が1分間にどれくらいの血液を濾過して尿を作れるかを表している(濾過能力)
糸球体は人体にとって不要なものを尿として出し、必要なものを回収するフィルターの役割を果たしている
糸球体濾過量を直接図ることはとても困難なため、年齢、性別、血清クレアチニン値から糸球体濾過量を推定する方法が考案され、検査ではこの方法が用いられている
現在の私の数値は49.4(ml/分/1.73㎡)となり、6段階分類のステージのG3aに当たる
数値は低いほど重症度は高く、正常は≧90、末期腎不全は<15となる
※ eGFRは、体表面積が1.73㎡の標準的な体型(170cm、63kg)に補正した場合のGFR(糸球体濾過量)を示す (私だと、181cm、73kgなので少し値は大きくみても良いのかもしれない)
(3) 尿蛋白(クレアチニン比):
肝臓機能に障害が起きると蛋白質が尿に漏れ出てくる(蛋白尿)
そのために24時間蓄尿しその中に含まれる蛋白質を計測するのがよいのだが、外来検査ではほぼ不可能である
尿中に排泄されるクレアチニンは生理的変動因子の影響を受けず、一日の排泄量は筋肉量に比例する
成人の一日のクレアチニン排泄量がほぼ1gであることから尿クレアチニン1g当たりの濃度を計算すれば一日当たりの蛋白尿が推算できる(クレアチニン補正によ蛋白尿 mg/dl.CRE)
現在の私の数値は12.0(mg/dl・CRE)となっり(基準値は18.0以下)、慢性腎臓病の重症度分類の蛋白尿のランクはA1(正常)となる
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