2023年7月12日水曜日

新たな地質年代

朝日新聞デジタルより
 朝日新聞に「人類の爪痕残る人新世」と題する記事が掲載された
直近数千年の有史時代以前の46億年の地球の歴史は、地質学的な手法でなければ研究できない

有史時代以前の時代を地質時代といい、その地質時代の区分を地質年代という

地質年代は、化石や岩石から環境の変化を読み取って区分されている

朝日新聞デジタルに掲載された地質年代の区分表にある通り、現在は「完新世」と呼ばれる時代で、氷河期が終わり温暖になった時期で、1万1700年前から始まり現在に至っているとされている

この地質年代に「新たな地質年代」が提案されている

完新世に続く新たな地質年代は「人新世」と呼ばれるようである

人新世の始まり時期は、1950年ころを採用するようである

朝日新聞によれば、作業部会のコリン・ウォーターズ議長は、「地球上の環境は明らかに急激に変化している。1950年からこれまでの70年の変化の速さは、新しい地球の状態に移行したと認識するには十分で地質年代に定義されるべきだ」と述べられている

同感である

76歳となった私にとって「人新世」の地質年代は「実感」と言える

薪でご飯を炊き風呂も沸かし、船橋の海で泳ぎ、九十九里浜では子供の足でハマグリやナガラミを採っていたのはついこの間のことである

今や、この短い間に,どれもが変わってしまった

私たちはそれを「豊か」と言う

本当にそうなんだろうか?

振り返って考えてみると、子供の頃を、ただ懐かしと感じるだけでなく、美しく、豊かな時であったような気がする

同紙には、総合地質環境研究所全所長の安成哲三氏のコメントも次の通り述べられている

大事なのは地質年代になるかならないかではなく、地球環境が大きく変えられつつあるのは事実であり、人類のこれからをどうするかという議論抜きで人新世を語ることはできないと語る

地球環境問題に対する人類の取り組みに対し、私は悲観的である

16歳の少女に言われるまでもなく、美辞麗句を並べた口先だけの議論はすでに尽くされている

議論ではなく行動が求められているわけであるが、人類は自ら作り出したこの大きく高い壁を突き崩し、美しい地球を取り戻すことはできないと私は考える

人類は滅亡への道を速度を上げて突き進んでいるとしか思えない

きれいな水もきれいな空気も金では買えない時代がすぐ先に見えて来ているような気がする

p.s.

人類の地球環境への影響が顕著となった「人新世の始まり」を示す基準地(国際標準模式地)は、カナダのクロフォード湖が選定された

予測される通りの人類の悪事(爪痕)が明らかになるだろう

今回選定されたクロフォード湖でなくても、有力候補地であった別府湾でも同じようなことが明らかになるだろう

議論するだけもそうだが、悪事が明らかになっただけでは地球環境問題の解決にはならない

意識が変わればと人は言うが、行動に移すということは実は大変なことだ

経済活動を止める勇気は人類にはない

私も実は、車を手放したり、電気を使わない生活をする勇気はない

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