一ヶ月ほど前だったと思う
ソファーに座った途端、バキンという音とともにソファーの中央部の一部が窪んだ
あっ!コイルスプリングが一本折れたな?といった感じであった
ソファーの中央部は、寝て使うと最大重量を受ける場所となる
我が家のソファーにも、私と同じ加齢問題が来たかと感じた
ネットでソファーの修理を当ってみたが、簡単なソファーや一人がけソファーのセルフメンテナンスは出てくるものの、我が家のソファーのように大きなソファーのセルフメンテナンスはヒットとしなかった
逆に、高級なソファーは直すとなると、買値以上の修理費用が掛かるとの案内が多く出てくる
我が家のこのソファーもチョット高級で、私にしては例外的ともいえる高い買い物品で、26年前に、高級家具ショップから高額なドイツ製ソファーを購入した
大きなソファーで、大きな体の私が座るにも寝るにも具合が良く、主に私と愛犬の昼寝ソファーとなっている
自身での修理は大変そうだし、修理に出すとなるとその費用は高額となりそうで、窪んだところに、タオルを折って当て、ごまかしながら使ってきた
だが、今日になって状態は悪化し、窪んでいたところは更に深くなり、広がってしまった
ネットの映像で見たように、折れた一本のコイルスプリングによってできた空間が、他のコイルスプリングに影響し、コイルスプリングユニット全体がバラバになってしまったと思った
これでは座ることも寝ることもできない
とても重いのは高級品だからと思って来たが、これでは邪魔になるだけの物となり、その重さは更に厄介である
見るだけは見てみようかと考え、ソファー周辺のスペースを空け、重いソファーをひっくり返してみた
ソファーの底は、愛犬の毛が張り付いていた
底には、一枚の黒い布があり、布の周りは、細かくタッカーで止められていた
修理を開始するつもりではなかったのだが、先の尖ったドライバーでタッカーの針を浮かせ、ラジオペンチでタッカーの針を引き抜いてみた
簡単に抜けた
打たれたタッカーの針を一本づつ引き抜き、底の布を丁寧にはがしていくと、スプリングが見えてきた
私は「高級=コイルスプリング」と思って来たが、高額であったはずのこのソファー!なんと安物のソファーのスプリングとして多く使われている「S字バネ」が使われているではないか!?
「ドイツ製=高級=高額=コイルスプリング」が「ドイツ製=高級=高額=S字バネ」となっていた
私は、どこか?だまされていた
多分「高額」でだまされていたのだと思う
まあ、過ぎ去ったことは仕方がない
満足して26年間も使って来たんだし、悔やんでも取り返せないものは取り返せない
問題は、今をどうするかだ
底の小さく短い木製の脚4本のうち、手前の2本を引き抜いて取り外し、底の布を全開できるまで、手前と脇の3方向のタッカーの針を丁寧な作業を繰り返して全て抜き、底が完全に見えるようにした
傷んでいる個所と原因が見えてきた
ソファー中央部のS字バネの2本が、奥側で取り付け金具から外れていた
S字バネは2本とも折れていなかった
「バキン」といった音は、このS字バネが取付金具から外れた音であった
今日になって窪みが広がったのは、S字バネの外れが1本から2本になったからだと思う
残念ではあったのだが、このソファーが使用しているスプリングがコイルスプリングではなく、構造が簡単なS字バネてあったのが、修理にあたっては助かった
スタンド電灯を持って来て明るくし、傷んでいる箇所をよく確認してみると、このS字バネが外れたまま使い続けたためか、S字バネで支えられていたスポンジが多くの個所で敗れていた
また、S字バネを取り付けていた金具も伸びきっていて、この金具にS字バネを引っ掛けてやれば修理は済むという訳にはいかないようだ
第一、この金具を取り外すには、ソファー全体を構成しているクッション材を引き抜かなければ、取り付け金具の取付個所はみえてこない
実際上、S字バネ取り付け金具の取り外して修理することは不可能に見えた
この金具の取り外しはあきらめ、新たにS字バネの取り付け金具を自作することにした
在庫のパイプを止めるU字のサドルバンドを折り曲げて合わせ、ビス穴も1本余計に空けて、三点止めが出来るように加工し、それを2個用意した
外れていた2本のS字バネは、このサドルバンドの加工品を使い、1つあたり木ネジ3本で止めて固定した
クッションスポンジが破れている部分は、古いバスタオルを押さえとして利用し、S字バネの下に2枚敷き込んで、スポンジを押さえた
特に中央部はスポンジの傷みが大きいので、中央部には余分に普通サイズのタオル1枚を重ねて敷き込み、タオルの両端はステーの木材にタッカーで止めた
スポンジの破れている箇所を見ると、S字バネが当たっている部分である
これは設計ミスで、私が補修したように、S字バネとクッションスポンジの間には少し厚めの布を入れておく必要がある箇所と思う
裏布を元に戻し、タッカーで細かく丁寧に裏布を元通りに止めて、外してあった脚2本も元の位置に取り付け、ソファーの修理作業は完了した
修理をするつもりで始めた訳ではない、夕方近くの、思いつきの、短パン、Tシャツ、素足での作業であったが、結果は1時間半ほどの作業で、手持ちの材料、手持ちの工具、手持ちの資材だけで、修理は完了した
修理やKenちゃんの修理のテリトリーは、バックホーの修理から家具にまで広がった(w)