2015年4月8日水曜日

22日目(4月8日)

4月8日、今日は私の誕生日だ。68歳になった
丈夫な体に産んでくれた母、元気な心身に育ててくれたばあちゃん、ねえちゃん、あんちゃん、健康な心身を維持してくれている妻に感謝だ!

昨夜は泊まりどころに苦労した
予定していた水分峡森林公園キャンプ場は期待していたものとは異なり、全く違うものであった
どうするのか悩んでいるよりも、近くに安芸の湯という温泉があったので、のんびりとそこの湯につかりながら考えることにした
薬湯は本当に体の芯まで温まった

湯につかっても泊まりどころのアイディアは出なかった
夕食も作れないでいるので、ここに来る途中に目をつけておいた広島焼きの店に入った
メニューの中から一番多くの具材があるものを注文した
「そばにしますか、うどんにしますか?」と聞かれた
「任す!」と応えたら、「そばにしておきますか」と言われ、その後「どこから来た?」と聞かれた
「福島」と言ったら、「大変だったネェ」と言葉が続いた
こっちは今夜の泊まりどころのことで頭はいっぱいであったし、腹も空いていたので、店主との話はここで途切れた
目の前で手際よく焼いてくれた広島焼きは本当においしかった
勘定を払って出ようとしたら、店主が戸口まで送ってくれて、「気をつけて!」と言ってくれた

依然として今夜の泊まりどころを見つけることはできなかったが、広島市内が見渡せるという江波山の公園に上がってみた
鉄筋の建物があり、近くの駐車場が開放されていた
そこをお借りして、昨夜の泊まりどころとしてたわけだ

今朝起きて、周りを見てみると、小高いここから広島市内も宮島方向と思われる島も海も望める

建物を見てみると、きれいであるが古い建物であることがわかる
その時、私は散歩中の方と朝のあいさつを交わした
その散歩中の方が、私の車のナンバープレートを見て、「福島から来られた?」と声をかけてくれた
私は、「ここに原爆資料が残されているようですが」と問いかけてみた
その方は、この建物自体が被爆建物だと話を繋いでくれた
その後、自分が発見したという原爆の火にも爆風にも耐えて生き延びた「ナミエヤマザクラ」を紹介してくれた
また、私を建物の北側に招き、その方は2階の窓を示された
「被爆時、割れたガラスが、突き刺さったまま保存されている部屋があるから見ていくとよい」とも説明してくれた

私は昨夜の泊まりどころの当てが外れ、頼るところもないまま、ここに上がってきて、何も知らずに70年前の原爆で被爆した建物の脇に私は寝ていたのである
何か不思議でここに何かの力で導かれてきたような気がするし、散歩中にお会いした方からも「あなたと私がここで出会ったのも何かの縁でしょう、お互いに元気で暮らしましょう」と言ってもらえた

広島と私は縁がないわけではない
母の実家は広島の爆心地に近いところだ
勿論、祖父も祖母も叔父、叔母も被曝しているし、昨日は最後に残った叔母の入院を見舞いに行ってきたばかりだ

旧広島地方気象台、現広島浪江気象館の開館は9時だそうだ
オープンまで待って見てみよう

見学者は私一人であった
見学に一時間を要した
部屋の壁にガラス片が部屋も見た
北側外壁は70年前に熱を浴びたままになっているようだ
照度計が動いていたらしく、被爆時のその記録も残っていた

広島浪江気象館を10時10分に後にした
音戸の瀬戸公園で鯛めしも含めたおいしいランチを食べ、瀬戸大橋を渡り、江田島市の能美島に入り、陀峯山に登り、回復した青空の下に広がる島々と海原を堪能した

今回の車中泊の旅というより、3年間の車中泊の旅で初めて宿を予約して、今夜はここに泊まる
今夜の泊まりどころは、国民宿舎能美海上ロッジという所で、遠目には海に浮いているように見える

ここでは100Vが使えるので、パソコンを使って撮りだめた写真をアップしようとしたら、カメラがない
車に忘れたのかと思い探したがない
必死に探したがどこにもない

頭をひねったがしばらくの間わからなかったが、あっ!と思い当るところがある
陀峯山で登頂記念のスタンプを押す際にカメラを手から離しその上に置いた、そこだ!
慌てて、11km走って戻った
しかしカメラはない
でも私は出てくるという自信があった
なぜなら、誰も来ない陀峯山へ登って来た軽トラの青年と私は狭い道を譲りあった
私も先方も顔を見合っている
私はそのまま警察に向かった
カメラは警察に届いていた
私は当然のことながら届けた方の情報を得たかったが、若い警官は、「届けた方は権利を放棄しているし、名を明かさないでくれ」とのことで、私は全く届けた方の情報は得ることができなかった
食堂の窓から
あの、道ですれ違った軽トラの青年であることは間違いない
その青年に感謝である

それで今日も写真をアップできたわけだ

それと、今日はビールも飲んだし、豪華版料理で、一人自分の誕生日を祝った

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