術後の経過は良いが、私も妻も転移や手術の経過についての不安はどうしてもある
私も同行した
血液検査の結果に問題はなかった
担当医から詳しい説明はなかったが、「癌マーカー」の値に異常はなかったとの報告を受けた
これでひと安心である
帰宅後、考えた
盲腸がんの腫瘍マーカーとは何なのか?
調べて直ぐわかった
盲腸がんとはなかったが、大腸がんの腫瘍マーカーは「CEA、CA19-9」であるとわかった
体全体の癌の腫瘍マーカーの種類は、図に示した通り、呉羽総合病院のHPから得られた画像から見てもとても多いことも分かった
では、大腸がん腫瘍マーカーのCEA(Carcinoembryonic Antigen)とは何か?
まず、Carcinoembryonicとの英語は、癌胎児性と訳される
Antigenとの英語は、抗原と訳される
すなわち、CEA(Carcinoembryonic Antigen)とは、癌胎児性抗原という意味になる
これは胎児期に見られるたんぱく質だそうで、出生後のCEAは胎児期に比べると非常に希薄となり、正常であればほとんど検出されないそうだ
しかし、消化器系癌などの病変が表れるとCEAの値が上昇ることがわかっていて、消化器系がんの腫瘍マーカーとして使われているとのことである
CEAの基準値は5ng/mLとのことである
では、CA19-9(Carbohydrate Antigen)と何か?
Carbohydrateとの英語は、炭水化物と訳される
Antigenとの英語は、先の通り抗原と訳される
CA19-9とは、直訳すれば、炭水化物抗原19-9となるが、医学的にはシリアルLea抗原(Lea抗原にシリアル酸が結合しシリアル化されているLea抗原)と呼ぶようである
CA19-9は正常な膵管、胆管、胆嚢、胃、唾液腺、気管支、前立腺、結腸、直腸、子宮内膜などの上皮細胞の細胞表面に微量に見いだせるが、これらの部位が癌化するに伴い大量に産生されて血中で検出されるとのことである
CA19-9検査とは、すなわち血清中のシリアルLea抗原(sialyl lewis A)を測定する検査であるとわかる
基準値を調べてみると37U/mL以下とある
U/mL(ユニット パー mL)の濃度割合とは?
ユニットとは、酵素活性量の単位を言うそうだ
至適条件で酵素が一分間に1μmolの基質を変換することができる酵素の量を1Uと定義する
(酵素の質量を測定することは非常に難しい。そこで基質の変化量は酵素の量に比例することはわかっているので、基質の量の変化を測定して間接的に酵素の量を測定している。少量の酵素の量を表す単位をユニットと表している)
より深く知ろうとするとより深くわからなくなってくる
深堀はここで止めておくことにする
「説明してもわからない、説明しきれない、私たちも学びの中にある」と弟のケア診療の担当医師から言われた通りのことが、ここにもあった
次回の6ヶ月検診は、CT検査となるようだが、おそらく、血液検査も行われるであろう
次回の検査後の診察時には、妻の術後の腫瘍マーカーとしては何を調べて、その値はどうあったのかを聞いてみたいと思っている
【腫瘍マーカーは絶対か?】
絶対ではないことは、私の経験からも理解しているつもりである
先の図にもある通り、前立腺がんの腫瘍マーカーはPSAである
私のPSAの値は、17年前の2006年7月4日の人間ドックの受診日から基準値を超えている
産業医の勧めもあり、二次検査で聖路加病院の泌尿器科を訪ねた
その時には、何の診察もなしに、生検と決まった
だが私は、一昨年まで、前立腺の生検は受けずに過ごしてきた
何故かと言えば、聖路加病院訪問の後に、私は泌尿器科のある町医者を訪ねている
普通は町医者から大病院へだが、その時には逆パターンとなった
私は、聖路加病院の若い医師の話しよりもこの町医者の話しを信用し、PSAの基準値は毎年超え続けたまま昨年まで過ごしてきた
私は一昨年、胃がんのESD手術を受けた
幸いにして、早期発見、早期治療となった
その胃がんと関係してのことだが、胃がんの手術後、CT検査やMRI検査を経て、大腸検査と前立腺の生検を受けることなった
大腸検査の結果には問題はなかったのだが、前立腺は、画像判断からかなり高い確率で言える癌との診断となり、私も前立腺がんは覚悟して生検を受けた
だが、意外にも、生検で19本刺した針からは、がん細胞は1つも見つからなかった
あれほど癌だと言っていた担当医は、「前立腺肥大でもPSAは上がるからね!」と言って話しを切った
いまも、17年前の小さな町医者の「癌ではないと思うょ」(※-1)との判断が正解であったのだ
腫瘍マーカーには偽陽性も偽陰性があると理解していなければならない
新型コロナウイルスでも、世界中の人が、この偽陽性と偽陰性を経験し知った
※-1:なぜ、聖路加病院の医師の話しではなく、小さな町医者(開業医)の話しを私は信用したか!
患者に向かう態度と医師の経験からくる判断を信用した
聖路加病院の医師は、最初から生検在りきであったのに対し、開業医は最初に水のペットボトル3本を買ってくることを私に言いつけた
その水を飲む前に膀胱のエコー検査を受けた
その後、かなり無理をしてペットボトルの3本の水を飲み切った
その後、診察室内にある便器におしっこを全部出し切るように指示されて、私はその通りにした
その後また直ぐに、膀胱のエコー検査を受けた
以外にも、すべて出し切ったと思っていたおしっこは膀胱の中にかなり残っていることをエコー画像は示していた
また、私のおしっこの出た量を縦軸に、時間経過を横軸にした折れ線グラフが示された
医師のおしっこグラフと比較して示された私のおしっこグラフは、かなり緩いカーブを描いていた
私の膀胱は、おしっこは出し切ったと思っていても出し切れてないし、私のおしっこの出方は、ちょろちょろと出るおしっこであった
特にこの医師が注目していたのは、私のおしっこグラフの線がギザギザであることであった
示された医師のおしっこグラフの線は直線であった
医師の話しによれば、私のおしっこの出方は、グラフの線が示す通り、ギザギザ状態で出しているとのことである
これは膀胱がおしっこを出そうと頑張っている姿を現しており、この振動でもPSAの数値は上がると言う
「PSAが基準値を超えた=前立腺がん」と考えるのは早計であり、若い医師の生検在りきの考えは間違っていると話していた
ただ、今となってこの町医者の行動にも疑問は出てきている
この時、この医師は、おそらく私の前立腺肥大を疑ったのだと思う
それならば、直腸診で、なぜ前立腺の状態を確認しなかったのかと今は思うのである
指で確認しなくても「わかっていることをいまさら確認する必要はない」と思っていたのかもしれない
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