日本泌尿器学会のHPより |
75歳であった
日刊スポーツのネット配信記事によると、西郷輝彦は11年前に前立腺がんと診断され、全摘手術を受けていたそうだ
それが、2017年に再発し、腫瘍マーカーのPSAの数値が上がったため、主治医と相談をし、日本では未承認のがんの先端治療である「PSMA標的内用療法」を受けるため、2021年4月23日に奥さんとオーストラリアのシドニーに渡った
西郷輝彦はYouTubeチャンネルで自身の闘病生活を配信していた
その動画は3本あって、私も参考にしようと思い3本のすべてを見たが、闘病生活という記録的なものというより、3本のすべてに長い時間を使った歌などが入っていて、どちらかというと西郷輝彦ファン向けの動画のように思えた
3本目には、先進的治療のPSMA標的内用療法の効果があったのか、がんの全身転移の状態が確認できるPET検査の結果が映し出されていて、前との比較画像では、がんは消えてきていた
しかし、PSAの値は、2021年7月29日に510 ng/mLに、8月16日には800 ng/mLと上がっていて、本人も何故かと疑問を持っていたようである
PSAの値が500とか800とかはすごい数値である
私は19年前の基準値の2.0 ng/mL(*-1)を超えてから年々少しずつ上昇をしてきてはいるが、現時点では10.0 ng/mLほどの数値である
*-1:現在は、若い方で3.0 ng/mL、それ以外では4.0 ng/mLが基準値となっている
私の場合は、MRIの画像診断を経てがんの疑いが濃厚であり、病院が新型コロナウイルス感染症のクラスター発生でのびのびとなっていた前立腺に針を刺して調べる生検を受けることになっている
日刊スポーツのネット配信記事に記載はされていなかったが、YouTube配信の中で、西郷氏自身が「去勢抵抗性前立腺がん」と述べているので、男性ホルモンを抑える治療を受けていたことになる
私も生検の結果、がんとなれば、西郷輝彦と同じこの男性ホルモンを抑えるホルモン治療を受けることになるかもしれない
治療を決めていくころには、ちょうど私は75歳に達しているのだろうから、前立腺の摘出手術を受けることはないであろう
もう必要ないが(w)、大事に取っておくことにしよう
【備考】
□PSAとは:「前立腺特異抗原」prostate-specific antigen の略語で、前立腺の上皮細胞から分泌されるタンパク質
多くは精液中に分泌されるが、ごく微量が血液中に取り込まれる
PSAの値が高くなると、前立腺のがんが疑われるが、前立腺が肥大してもこのPSAの値は上がることがわかっている
*prostate:前立腺
*specific:明確、特有
*antigen:抗原
※抗原とは、病原性のウイルスや細菌、花粉、卵、小麦などの生体に免疫反応を引き起こす物質のことを言い、抗体とは、体内に入った抗原を体外に排出するするために作られる免疫グロブリンというタンパク質
※PSA(前立腺特異抗原)の役割とは?:精液に混じり、ジェル状の精液をサラサラにし、精液の運動性を増す役割がある
※血中PSA(前立腺がんマーカー)とは:立腺腫瘍などで腺上皮細胞が傷害を受けると血中にPSAは逸脱する
□PMSAとは:(Prostate Specific Membrane Antigen)「前立腺特異的膜抗原」とは:前立腺がん細胞の表面に存在しているタンパク質を言う
PSA(前立腺特異抗原)と混同しやすいが異なる
*prostate:前立腺
*specific:明確、特有
*membrane:被膜
*antigen:抗原
※そもそもPMSAとは何だ?:正常な前立腺細胞の中にも存在しているといわれるPMSAであるが、内分泌療法抵抗性の前立腺がんでは、血中および組織中で、そのレベルが上昇することがわかっている(前立腺がんの悪性度が高かったり進行性に移行すると、このPMSAは数10~100倍もの量に上昇するとも言われている)
この性質から、前立腺がんの予後因子として注目されている
だが、PMSAそのものは何であるのかを私は確認できないでいる
その名称からすれば、前立腺の被膜に特異に存在する(多くなった)抗体(体に免疫反応を起こしている物質)??
そこに悪性のあるいは進行性のがんがあるということになるのか?!
□PSMA標的内用療法とは:(標的内用療法=ルテチウム-177 PSMA-617として)
PSMAに特異的に結合する分子(低分子リガンド)に、放射性物質(ルテチウム-177 PSMA-617)を融合して、点滴のルートから静脈注射を行う
転移をしていたとしても、結合分子がPSMAをサーチ(結合)し、それを標的とし放射性物質が患部(がん細胞)を攻撃する
前立腺がんに特化した画期的な治療法である
日本では認証されていない
PSMAが強く現れている前立腺がんにしかこの療法の効果はない
オーストラリアのシドニーの病院に到着した西郷氏も、PMSA PET検査で「PSMAが強く現れているか否か」の検査を受けた後にPSMA標的内用療法の治療を受けている
PMSAが出現していなければ、この治療を受ける意味がないからである
西郷氏の例にあるように、この治療法を採用している海外の病院を紹介している病院が日本にもある
このように海外の病院で治療するには、相当な費用が発生すると思われる
□PET検査とは:Positron Emission Tomography (陽電子放射断層撮影)がん細胞が好むブドウ糖に微量のフッ素-18という放射性同位元素を加えた薬剤を体内に注入し、薬剤の全身分布状況をPETカメラで撮影する
薬剤は正常細胞よりもがん細胞の方に多く集まる
薬剤が放出する微量の放射線をPETカメラで捉え、がんの位置、大きさ、進行度合いを調べる検査方法をいう
住友重機械工業のHPより |
※PMSA PET検査の課題:
*Ga-68標識PSMA-11の原料であるGa-68という放射性物質は半減期が約68分と短いため、病院内で薬を製造する必要がある
*Ga-68の製造方法は2つある
ひとつは68Ge/68Gaジェネレーターによる簡易的な製造方法ではあるが、収量は少ない
もうひとつはサイクロトロンという装置を用いた方法である
ジェネレーターによる製造の場合は、日本国内に製造拠点がなく、全てを輸入でまかなう必要がある
また世界規模でのGa-68需要の増大していることから、日本への供給が不足するなどの懸念がある
サイクロトロンという装置を用いた方法の利点:
1.世界的にはサイクロトロンの保有台数は多い
2.サイクロトロンによりGa-68を製造することで、より多量のGa-68が入手出来る
3.サイクロトロンであればジェネレーター方式と比較し、製造原価は安くなる
【追記】
調べを進めていくうちに、PSAとPSMAはまったく違うということがわかった
日本では、前立腺の腫瘍マーカーであるPSAは集団検診でも血液採取により検査されることが一般的になっているが、前立腺がん細胞の表面に存在しているタンパク質であるPMSAの値は検査されていない
前立腺がんでは、このPMSAが多く発現しているとわかっているのだが、日本では西郷氏も死に追いやったこのPMSA自体を測定する手段がないのである
治療以前の問題であった
西郷氏の場合、510 ng/mLとか800 ng/mLといったすごい値となっていたのは、PSAの値ではなく、PSMAの値であったと思われる
西郷氏の場合、画像上ではがんは消えたように見えたが、癌マーカーの値(PSA値なのかPMSA値なのか?)は増え続けていた
前立腺がんは、欧米では10年以上前から罹患率1位となっている癌であり、日本でも近年中に罹患率1位の癌になるといわれているのに、PMSAに対する日本の医療体制はまだ整っていない
【私の近くにも前立腺がんで亡くなった方がいる】
亡くなってから10年近くになるだろう
私の薪材の山の師匠で、私達の田舎暮らしをサポートしてくれていた方がやはりこの前立腺がんで亡くなっている
はじめは、首が回らなくなったとの症状を訴えていた
不調を訴えながらも初冬には、私と山に入り、薪ストーブの薪材となる、ナラや栗の木の伐木、玉切りを行った
それからしばらくして肺に水がたまるようになり、入院をして、そのまま入院先で亡くなった
私は毎日見舞いに行った
亡くなる日にも私は見舞いに行った
その日、師匠は私の目の前でショック状態となり、その夜のうちに亡くなった
70歳の誕生日まであと2、3日であったと思う
「70歳までは生きたい!」と師匠は言っていた
本人は、癌と知らされていなかった様な気もする
私の山の師匠は、首が回らないと訴えてから1年もしないで亡くなってしまった
前立腺がんは進行が遅いとか言われているが、中には悪性の前立腺がんもあるので、油断してはならない
前述の通り、内分泌療法抵抗性の前立腺がんというステージもある
そうなると日本では、治療方法以前の検査方法でさえ確立されていない
前立腺がんは、生育が遅い癌などと楽観視してばかりでもいけないこともわかった
どうなんだろう?
生検で針を刺したり、摘出手術をすること自体が、がん細胞を撒き散らすことにならないのだろうか?
私はこの先、生検は受ける気でいるが、検査結果で前立腺がんと確定されても、手術の選択は避けようと思っている
線友ネットは参考になる
http://pros-can.net/01/01-4.html
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